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明治大学 鯖江ブランド創造プロジェクト ~ 創立者出身地への学生派遣プログラム REPORT(1)

鯖江市は人口約7万人の、小さな地方都市。平成の大合併では、福井市との合併の話もあったが、市民たちは、「鯖江」であることを選んだ。めがね・繊維・漆器が3大地場産業であるが、この10余年の不況で、深刻な打撃を受けている。全国で起きている、地方の衰退の縮図でもある。

しかしながら、今年8月の「電脳メガネサミット」では、多くの著名なアーチスト、教授、ビジネスパーソンを集め、「鯖江市地域活性化プランコンテスト|市長をやりませんか?」や「河和田アートキャンプ」では、大学のない町に多くの大学生たちが集まるなど、地場産業の衰退を打派する元気感を漂わせている。

※ 参考「コミュニティづくりはインキュベーションの原点鯖江の首長、チャンピオン、エコシステムに学ぶ」
http://diamond.jp/articles/-/23416

そんな中、セカンドアカデミーでお付き合いのある明治大学が「創立者出身地・さばえ活性化プロジェクト~鯖江ブランドの創造」と銘打ち、精鋭学生達16人を4日間に渡り派遣すると聞き(明治大の創始者の一人、矢代操先生は、鯖江藩の出身)、密着同行取材を行った。

8月27日(月) 初日

11時53分着の特急「しらさぎ」で、明治大学の学生たちが到着。
東京からは、米原経由で約3時間20分と、意外と近い。

まずは、「めがね会館」で、鯖江を代表する地場産業を見学。
明大スタッフのYさんには、
さっそく、サングラスをお買い上げいただきました。
「ありがとうございます」

鯖江市まなべの館前の、矢代操先生の胸像の前で記念写真。

明治大学の前身、明治法律学校は、1881(明治14)年に、岸本辰雄先生(鳥取藩出身)・宮城浩蔵先生(天童藩出身)・矢代操先生(鯖江藩出身)の、3人により創立されました。

今回のプロジェクトの引率・指導に、経営学部 藤江昌嗣 教授(副学長 社会連携機構長)、公共政策大学院 ガバナンス研究科 源 由理子教授(地域連携推進センター副センター長)が参加されています。
お二人とも、とっても穏やかで、学生思いの素敵な先生です。

テーマ毎に4チームがフィールドワーク&熟議&提案を行います。

市民主役のまちづくり(『熟議』手法を使って)チーム

中心市街地の賑わいの創出についてチーム

市民協働による食育推進チーム ~食でつながるみんなのさばえ ~

鯖江型の生涯スポーツ社会の実現チーム

鯖江市役所で、牧野百男市長と商工会議所野村一榮会頭から、鯖江の現状、課題、自慢話を学生たちにレクチャー。2時間アッという間です。

市長レクチャーサマリー
・地場産業は、めがね・繊維・漆器。鯖江はモノづくりの町
・この10余年の不況で、それらは大変な状況にある
・それでも、福井県の中で、唯一人口が増えている町
・電脳メガネサミットをはじめ、IT産業にも大きく期待している
・市民参加、また、全国の学生参加で、幸福度NO1のまちづりをしたい
・学生の皆さんの提案を、とても期待している

次の日からのヒアリングに備えて、4つのチーム毎に、市役所の方や、関係する方々と、事前の情報共有。

宿舎にチェックインし、3日目に予定されている「熟議※1」について、海外の異文化の方々とのコミュニケーションを数多く経験されている、源先生より学生たちにレクチャー。

「ファシリテーターは中立がいいんだけど、あまり意識しすぎずに、皆さんの個性を消さないように、自由におやりなさい。」と、学生たちの持つ個性を尊重します。

※1 熟議とは、様々な関係者の対等な議論を促し、異なる視点、建設的なアイディア等を出すことで、テーマや議論内容の共有、合意形成を目指す、プロセスのこと。

その夜は交流セミナー。
テーマ毎に、関係者やサポートする市役所メンバーと同じテーブルにつき、親交を深めました。

8月28日(火) 2日目

4つのチームが、それぞれ1日半の間、フィールドワークを行いました。
以下は「市民主役のまちづくり(『熟議』手法を使って)チーム」の活動内容。
取材で同行しつつ、時には、そのメンバーの一員ともなり、ヒアリングに参加しました。

齋藤晋 新横江区長会会長をヒアリング。齋藤さんは、早稲田大学を卒業後、東京で働いていたが、50歳を過ぎてから鯖江に戻った。
区長会という市民と市役所の間を繋ぐ、従来スキームでのとりまとめ責任者であるとともに、NPOやボランティア団体等の新しいスキームでの活動者たちに対しても、温かい視線を注いでいらっしゃいます。

地区住民たちで委員会をつくり「北中山まちづくり計画」を立案する等、住民参加型のまちづくりの拠点、北中山公民館 森本茂館長と。
森本館長に乗せられて、全員で「笑いの三笑」
(この地区では、宴会の終わりは、これで締めるらしい)。

→動画で見る
 ・ mp4形式(480*272)3.4MB
 ・ mp4形式 高画質(1280*720)15.7MB

鯖江市には、地方自治体では稀な、「市民主役条例」がある。
http://www5.city.sabae.fukui.jp/reiki/
reiki_honbun/ar40006181.html

この条例作成に携わり、また、その推進委員会の委員長を務める蓑輪喜通さんをインタビュー。

北中山地区の青年団「しいの木クラブ」、
鯖江市連合青年団「鯖艦」のメンバー達と意見交換。
http://yaplog.jp/siinoki/
http://yaplog.jp/sabacan/
かつて地域活動を担った「青年団」組織は、日本経済の発展とともに、この鯖江でも消滅していた。
しかし、この数年、自然発生的に生まれているとか。
その意味を突き詰めてみると、何かが見えてくるのかもしれない。

ヒアリングにあったって、メンバーが作成した、仮説を説明するボード。
右肩上がりの時代が終わった今、市民は行政にサービスを求めるだけでなく、市民たちが行政サービスの一部を担うことが求められている。
そこで重要なのが「中間層」。特に、若者たちが積極的に「中間層」となるための施策を考えたい。

本日のフィールドワーク終了は、9:00PM。
お疲れ様でした。

8月29日(水) 3日目

古町商店街の入口に「学生 連携拠点施設らてんぽ」があります。学生たちの活動拠点であるとともに、バスを待つ方々の待合所にもなっています。

らてんぽ
http://ameblo.jp/sabae-ratenpo/

ここで、学生団体With の代表の方々に、インタビュー。

福井大学、福井高専、仁愛大学等の学生たちが、大学という枠を超え、自らのビジネススキル向上や、地域の活性化のための活動を行っています。

※全国から学生が集まる
「鯖江市地域活性化プランコンテスト」
( 9月8日(土)~10日(月))の運営サポートも彼らが行います。
http://profo.jp/sabae-plancontest/details.php

メインストリート 古町商店街の様子。
地方都市の商店街を象徴する風景。
隔月で、片側を駐車ゾーンとして、商店街利用者の利便性を図っている。

学生、行政、市民が参加する「熟議」がいよいよ始まります。
今回のプロジェクトのメインイベントです。
4つのチーム毎に、それぞれのテーマを熟議します。

以下は、私が入ったチーム
「市民主役のまちづくりチーム」の様子。
ファシリテーターは明治大学2年安井奈緒子さん。

市役所と市民をつなぐ中間層の必要性と、若者の活動への期待の仮説をまずは提示し、それぞれ参加者はそれに対する意見や提案等を付箋紙に書き出し、それを分類しながら、参加どうし確認しあいます。

今回の熟議では、一定の結論を出すのが目的ではなく、参加者がそれぞれの意見を出し合い、多様な意見や視点があることを認識することが目的です。

一定の結論を出すのが目的の通常の会議になれた方々には、若干の戸惑いもあったようですが、参加者の感想で多かったのが「役職や立場の上下を離れ、正直な意見が言える場であった」、というものです。

8月30日(木) 最終日

最終日は、市長ほか、多くの市民たちの前で、この4日間の活動を踏まえた提言の中間発表会です。
明大マスコットキャラクター「めいじろう君」も応援に駆け付ける中、4つのチームが順番に発表を行いました。
牧野市長からは、「幸福度NO1のまちにしたい」という思い、野村会頭からは「もっと学生らしい、これまでにないアイディアによる提案が欲しい」という要望、市民からは「より正確な発表資料を作成するよう」というアドバイスが飛び交い、彼らに対する熱い期待がうかがえました。

上記写真 牧野百男市長のブログより転用させていただきました。
うかつにも、写真を撮る側が、撮られる側になりました。

『さばえ.jp』百さんのブログです
http://ameblo.jp/hyakuo/day-20120830.html

学生全員が「鯖江ブランド大使」に任命されました。

中間発表の後は、河和田「うるしの里会館」で地産地消の食材での昼食会、河田アートキャンプの学生との交流をし、夕方の列車で、東京まで戻りました。4日間、お疲れ様でした。

このような「大学X行政」の活動は、スタッフの方々の、入念な事前の準備、当日の臨機応変な対応、溢れるホスピタリティ精神が大切であることを実感しました。
鯖江市役所の渡辺様、斉藤様、藤田様、他スタッフの皆様、ありがとうございま した。

今回は、あくまで中間報告。「熟議」の内容や、中間報告のフィードバック、2か月間の情報収集・検討を踏まえ、さばえものづくり博覧会(11月16日(金)~18日(日))の最終日に、最終プレゼンが行われます。ご期待ください。

(文責:佐々木偉彰 セカンドアカデミー株式会社 代表 / 鯖江市出身)


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